初日(この場合ハツジツって感じ~)
ここはどこだ。
ゆっくりと目覚めようとするその瞬間、
隣から聞こえた悲鳴に全身を緊張させる。
朽木のように倒れる人影。
そばには背から羽を生やした天使のような悪魔。
ベッドから飛び上がり、鞄も確認しないまま扉へと走る。
ハウスキーパーの姿は無い。
転がるように外へ。とにかく遠くへ。
柵。その向こうの森。
ここはムーングロウに違いない。
しかし厩舎には厩務員も馬も居ない。灰色のヘビ。赤目の人影。
何かに躓く。死体。それも何人もだ。
水色、緑、黄色、原色の衣服が血に染まっている。
宿の中の悪魔がこちらに気が付いたようだ。
追いつかれれば死ぬ。それだけのことだ。
街の出入り口に鎧で身を固めたドラゴン。
騎乗しているのは屈強の戦士。赤目の人影とやりあっている。
下から突き上げられる槍を、幅広の剣で受け流しながら斬付ける。
致命傷。違う。かすり傷なのか。
まるでダメージなど無いように槍が唸る。
戦士は何かを呟く。頭上からの斬撃。
槍が光る。落馬。追い打ち。交差。
横に払った切っ先が赤目の腹を抉る。しかし動きに変化は無い。
苦戦か。
眺めていても邪魔になるだけだろう。喘ぎながら南へと走る。
道を外れ、森の中へ。
周囲を石に囲まれた青い光。ゲート。
一度荒い息を吐くと、鞄の中を手荒に探る。
雪球、花火、バレンタインカード、ヘリテージチケット。
そして血を思わせる赤いチケット。
2番目の代物を選ぶ。黄色い箱。白い飛沫。
ゲートを潜りヘイブンへ。
ここは安全に違いない。
銀行横を走りぬけ宿へと急ぐ私の目に、白く輝くゲートが映る。
膨大な作業の報酬。
勝ち抜いたことに意味があったと思う。
その結果に興味は無いが、将来、何かの役には立つかもしれない。
何より店員犬が喜ぶだろう。
行き着いた先は神社。
黒い服を受け取ると、ジェローム行きのゲートへと向かう。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
・・・只今、ノンビリと北方謙三を読んでます(笑)
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